平成24年10月3日(水)
チョコレート工場が稼働します‥

 残暑の厳しかった夏が終わったかと思ったら、随分涼しくなってまいりました。夜も寝やすくなりましたよね。晴れた日の秋の空は、心まですっきりするくらい、澄みわたった青さです。いい季節だなぁ…
 授産所では、急に涼しくなってきて、少し風邪を引く人が出ましたが、流行ることもなく治まったので一安心でした。
 
 今年度は、自動車関連の作業が、東日本の大震災・タイの洪水などで落ち込んだ状態が続いており、お菓子の製造と販売にかなりウェイトを置いた取り組みをしてますから、イベントや催事で非常にバタバタした日々が続いています。即売会の開催など、もっともっと手際よくできるノウハウを身に付けていく必要があります。実際やってみると、本職の人たちは手際がいいなと感心することしきりです。やはり餅は餅屋ですね。

 でも、僕たち福祉人も、負けていないものがあります。それは「誠実さと元気良さ。」これだけは、本職の人たちに負けないようにしています。厚意でピアゴさんやTポートさん、あおいパークさんなどの大きな会場で販売させていただいていますから、一生懸命、元気を出して販売するよう毎回心がけています。そのおかげで、どの会場でも「想像していたより、ずっと頑張っているね。また来てください。」と言っていただけることが多いです。これって僕たちの感謝の想いが、お店の方たちにも通じているようで嬉しいですよね。こうしたみなさんの温かい想いに応えられるように、これからも誠実で元気に取り組んでまいります。

 さて、東京の国際展示場(ビックサイト)で、偶然おとうふ工房いしかわの石川社長さんと出会い、トントン拍子に話が進んだチョコレート掛け工場。およそ2か月間という、超タイトなスケジュールでの工場建設でしたが、多くの方の応援により、無事完成いたしました。9月~10月のトレーニング期間を経て、いよいよ本格的な生産に入ります。

 チョコレート掛けの機械はチョコの本場ヨーロッパのイタリアから直輸入です。この機械は、チョコレートを固まる状態に融解させる「テンパリング」という機能と、お菓子にチョコレートを掛けるエンローバーという機能を併せ持つ、とってもお利口さんな機械なんです。何やらメーカーの人の話だと、天○のチョコリングで有名な某メーカーさんや、バームクーヘンで有名なユー○イムさんや、安城更生病院の近くにあるパンの○ラさんなども導入している超本格な機械で、只今、うちの工場長は、日々悪戦苦闘で最良のチョコレート菓子をを作りだそうと頑張ってくれています。

 こうしたトレーニング期間が、本当は一番大変なのです。スタッフ自身が、機械の扱いには慣れなくてはいけないし、機械の洗浄やメンテナンスなどもできなくてはいけません。それができたうえで、チョコレートメーカーとチョコレートの種類や配合などを決定し、さらに利用者さんたちをトレーニングをしていかなくてはいけません。それでも、満足な製品はなかなかできませんから、あらゆることを試しながら試作していきます。

 商品の開発は、こうした製造トレーニングと同時に、どういう人を対象に、どういう形態で売るかということも考えてかなくてはいけません。売る対象、場所などによっては、包装形態もシンプルな物からゴージャスなものまで、まったく違うのです。作ることはある意味、機械があれば何とかなるかもしれませんが、売るということは本当に難しいことです。原材料原価や物流費・広告費・人件費など、製造原価のことをいつも頭に入れいておかなくては、とても採算の合う事業になっていかないのです。この辺のソロバンが福祉の人間である僕にはなかなかはじけないので、いつも頭を抱えています。ほんと、仕事を作るっていうのは難してもんですね。

 でも、嬉しいのは、チョコレートっていうのは、たいがいの人が大好きで、授産所の中にチョコレートの匂いが漂い始めると、何とも言えず幸せな気持ちになって来るんですよ。これまで、自動車部品の工業用油の臭いにまみれていたのが、反対側の部屋からチョコレートの甘い匂いが漂ってくるのですから、みんなワクワクしています。やっぱりみんなチョコレートが好きなんだよねぇ…。

 まずは、おとうふ工房いしかわさんからの受注作業をきちんとこなしていくようになることを最優先で取り組んでいますが、試作の段階では授産所の「ぱりまる」のチョコレートバージョンも作っており、これがとても美味しいと大好評で、早くももこの冬の予約まで入っています。もともと、甘さを抑えて素材の風味をしっかり活かして作ってありますから、チョコレートとの相性がいいんですね。

 工場長が、こう言ってくれました。

「私は、作業能力が高い子ばかりを集めるのではなく、ちょっと手がかかるくらいの育てがいのある人たちとこの仕事がしたいのです。夢のある仕事であるからこそ、障がいが重い人たちと一緒に力を合わせて、素敵なお菓子を創りだしたいのです。そうやって頑張っている利用者さんの真の姿を、たくさんの方に見て欲しいのです。」


 良い職員に育ってくれました。本当にそう思います。

 只今、毎日ドンドン試作していますから、訪ねてくれた方にはもれなく試作のお菓子を差し上げています。

 みなさん、どうぞ遊びにきてくださいね。




○---授産所だより ~過去ログ~ ---○
2012 10月の記事
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